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阿弥陀岳 2日目と3日目

6:30 アケビ平 → 8:00 吉尾平 → 9:30 コル → 11:00 雪面終了 → 11:45 下山開始 → 13:10 コル → 15:00 アケビ平

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  • 登山

2日目

4時ぐらいから明るくなってくる。雨も止んだようだ。鳥の囀りが聞こえる。この明るさは晴れるのかなという気配。昨日の夜の天気予報では午前中は雨とか言ってなかったか?

4時半に目覚ましが鳴る。起きるのが、というか登るのが面倒だなあと思いつつも寝ててももっと面倒なことになるのであきらめて起床。テントの中でラーメンを作って朝食を食べる。アタック用の荷物を準備してテントの中から外に放り出す。

外に出て阿弥陀岳の様子を伺うと去年よりずっと雪が落ちている気がする。靴紐を締め直し、スパッツ、アイゼン、ハーネスと順次装着し装備を整える。3人のアタック隊が6時半前に出発。

南側斜面を下り、対岸に渡る。台地の上をちょっと進んで斜面をトラバース。トラバースに関しては去年よりずっとスムーズに進める。リズムを少し考えながらまだぎこちない部分が残るが…。

しばらく進んでいくといよいよ谷は雪に埋まり、降りて進む。登っていくと左岸に水が流れているところがあって、その脇を登って吉尾平に上がる。上がった地点で水を汲みつつ休憩。

休憩していると他のパーティが登ってきていた。話を聞くと昼闇山に登るとか。林道から直接吉尾平に出ようとして渡渉が大変だったとか言っていた。

次の目標地点は阿弥陀の南側のコル。最初は他のパーティと一緒の方向に向いていたが段々と右にそれる。最初は傾斜もゆるやかだが段々ときつくなっていく。回りを見渡すと樹々が芽吹いている。去年より雪は多いが春の訪れは早いのだろうか?

斜度は段々上がっていくがそれほど雪が腐ってはいないので苦労はしない。意識したキックステップを蹴り込むようなことをせずとも十分に足場は確保できる。こうなるとあとは得意とする体力勝負となるので余裕を持って勢いよく登っていく。気掛かりなのは下れるかということだけ。ときどき考えるが…。

コルに到着して次のルートは藪漕ぎ。東側斜面にはもう雪がないので反対側斜面の雪面のところまで藪漕ぎで登っていく。藪漕ぎは枝の上を歩いていくと楽だが、アイゼンで枝の上を歩くのは楽。滅茶苦茶やってるな。いくつかの花を踏み潰すも順調に藪を抜けて反対側に出る。

またしばらくは稜線の藪に沿って登っていく。ここらあたりはさっきと同じ感じ特に苦労はない。だんだんと山頂が近付いてくる。が、時々雪がはがれ落ちる小さな雪崩が発生する。ころころと斜面を転がる雪の塊を見て、気をつけないとね。藪沿いの登りが終わると雪庇沿いのトラバース。ここが終わればいよいよ山頂基部への取り付きとなる。スパンと切れた雪庇の端から3m離れたラインを意識しながら丁寧にトラバースをしていく。ここで落ちるとろくなことにならない。

緊張のトラバースが終わるといよいよ最後の登り。頂上は近い。だが、雪はもうすぐ切れる。どうなるのか…。最後の雪面を登ったあとは、小藪の細い枝を掴んで登る。岩壁は脆い岩でアイゼンがかかるようなかからないような怪しい状態。

藪を登りきったところでもうほとんど頂上が見えている。この岩壁を登って反対側に出て、藪を登れば頂上か…というルートは見えているのだが…。岩壁を登るのが問題だった。今まで登ってきたところは大きな緊張感もなく順調にこなしていたがこの部分でかなり嫌な感じがしてきた。かなり厳しそうな状況に見える。

ザイルを出して隊長が先行する。少し登ったところで、うまくランニングが取れる場所がないと判明。ハーケンを打ち付けるものの岩が崩れていきうまくいかない。その先もあまり状態が良いとは言えず…。時間も押していたこともあり、ここで撤退を決定。頂上はほんの少しの目の前にあるが遠かった。

下降開始。懸垂下降で降りることになるがうまい支点が取れないので捨て紐を使って藪に巻き付ける。そのあたりに根本から引っこ抜けた藪があるのが怖いところではあるが。降りるときも体重をかけずに慎重に降りていく。もう一本懸垂で下って雪面に到着。そこからはザイルを腰につけてトラバース。尾根についたら太い松の枝が出ていたのでそこを支点に懸垂下降。ここは支点が安定しているので一気に滑り落ちる。40+45mのザイルでやっていたが回収のたびに二人がかりでやらないと引けないぐらい重い。

一旦ザイルを回収したのち、何もなしで下っていく。降りれないわけではないが…。まだ姿勢がおかしい。へっぴり腰では危ないので足を垂直に下ろしてはいるが、重心が高いのが不安なため腰を落として背筋を伸ばすという変な姿勢で歩いている。ここで腰が伸びればもっといいのだろうが、まだその勇気がない。多分大丈夫なんだろうが…。あと左腕が硬直している。最近別件で言われたこともあるが、緊張すると左腕が固まる。街ならいいが、この状況では余計にバランスがおかしくなる。以後意識して左腕を動かせるようにしていた。

藪に戻って下る。枝の上を踏みながら下っていくのがいいね、と。コルまで戻り反対側へ。ここからもう一本懸垂下降。雪から少し顔を出している太い枝があって、この枝は行きてんのか、抜けやしないかとか言いながらザイルをセット。一気に下る。そのあとはまた腰にザイルをつけて一本下って…。そのあとは普通に下りる。もうあとは…。吉尾平をだらだらと歩いて、水を汲んだところから下りて、谷沿いに下っていく。歩いていたら雪に埋もれていた枝が突然跳ねるという事件があって危なかったが(自分は3回ぐらい遭遇した)、最後のトラバースを無難にこなす。大分慣れがでてきた。そしてテントが見えるところまで戻る。さて、もう一回谷に下りてと思ったら朝になかった穴が空いている。おいおい、怖いねーと思いつつ雪渓を渡り、最後の斜面を登る。

およそ8時間半の行程だったか。去年よりずっと楽だった。あまり疲労していない。余計な力を使わなくなったということだろうか?

そのあとは宴会開始。今日は天気がいいので昨日より暖かい。テントの結露もなく過ごしやすい。天気予報では明日は朝から崩れると。だんだんと雲行きがあやしい。

3日目

朝方雨が当たる音がしたが、最後は晴れたようだ。5時半に起きて、ごそごそ支度する。妙な感じの空模様だと思いながら準備。7時過ぎに出発。2日前より雪解けが進んでいるなあと思いながら戻っていく。1時間程度で車まで戻る。荷物を積み込んでいたら雨が降り出す。最後あわてて放り込むように荷物を積み、車に乗り込む。間も無く雷雨になった。実に運の良い幕引きとなった。

そのあとは例年通り魚津に寄って以下略のような話で帰宅。

まとめ

雪を歩く技術としてトラバースまではなんとか無難にこなせるようになった。下りも去年よりはずっとましだが、まだ不安定。多分普通にこなせるんだろうなと思う場所も自信がないためかえって変になっている部分もあるのだろう。気付いたのが疲労の少なさ。自転車のトレーニングで体ができていたことが理由か、行程中も楽だったし、帰ってきてからの筋肉痛も少ない。4年目突入の登山でそろそろ慣れてきたのなら喜ばしいが。