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南アルプス沢登り(二日目)

野呂川・右俣を本格的に遡行。

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  • 登山

4時半に起きる。インスタントラーメンとおにぎりを朝御飯に食べる。今回は低カロリーでどこまで動けるかと思って意図的に少なめでやっていた。6時出発ということで準備していたが6時20分になってしまった。ちょっと段取りが悪い。

天気は雨ではないが…というところ。曇り空はかわらず。上のほうは雲と霧で何も見えず。この日の計画は右俣を登り、稜線に出てから熊ノ平の小屋でビールを購入。そのあと大横川に入るという予定。

隊長は釣竿片手に、自分はダブルストックで登っていく。川の水はそれほど冷たくなく、川中を歩いていても苦にはならない。流れもきつくなく、滝もザイルを出すような大したものもない。大体5m余りの川幅で、それほどの苦労もなく登っていく。

遠くの左奥に大きな滝が見える。あちらのほうには進まない。次の合流点で反対の沢を選び登っていく。このあたりになると傾斜もきつくなる。必死ではないが丁寧には登っていかなければいけない程度には大変になる。1m弱の高さの滝が連続するところもある。

いよいよ沢の幅が1m弱となる。瓦礫で埋まった谷筋が上にずっと伸びたところに行き着き、そこをちょっと登ると…突然水音が消える。野呂川の最初の一滴にたどりついた。ちょっと不思議な光景だった。だんだんと細くなっていくのではなく、突然あるところからある程度の水量をもった水が湧き出していた。10mも下ったところでは沢になっていたのに…。ここからは水がないので給水を行う。

ここからはつらい登りがひたすら続く。そして森林限界も突破。空気の薄さが気になってくるころだ。自転車で乗鞍を登っていたときを思い出す、空気の感覚。ガレキが埋まったところは足場が効くが、砂利のところはちょっとつらい。霧がたちこめ先行する隊長の姿はよく見えない。鈴の音を頼りに登る感じだ。ザックの重みがさらに負荷をかける。

あの地面の境界の向こうには何があるの?斜面でした。あの霧の向こうには何があるの?斜面でした。あの繁み(略)でした。1時間半ぐらいの登りの末に稜線に。最後のほうは45度近い急斜面。気をぬくとずるずるとすべっていきそうになる。最後のところは砂利でいよいよ足場が悪く、キックステップで登らないとあぶなくて仕方がない。稜線の近くで右のほうから人の声がする。ちょっとだけホッとする。あちらが三峰岳なんだな…。

稜線に出たものの当然景色は真っ白で何も見えない。三峰岳に向けて、右へ、進むことにした。このときの単純なミスがあとで大きな問題になる。

登山道とは言うものの幅もなく、道の上ですれ違いができないほど細い。両側ともきつい斜面なので登山道でふらついてこけたら大変なことになりそうで怖い。変な鎖場もあってよっぽどこっちのほうが沢のり危ない。途中で大学生らしき縦走中のパーティと合う。すれ違って行く際に仲間同士で沢だね、と言っていたのが聞こえた。

いい加減になんとかしなきゃと思うが下りが遅い。技術がないとどんどん離される。先行する隊長に用を足していたのかと皮肉を言われるぐらい遅い。

ということをしていつつ30分ほど進むと…異変に気付く。ずっと下り基調で三峰岳らしきところに辿りつかない。どこに向かっているんだ?このときになってやっと地図とコンパスを出して確認する。コンパスの向きが示す我々の進行方向は…、北だった。三峰岳と間ノ岳の間に出たと思いこんでいたが、実際は三峰岳の北側に出ていた。稜線に出たときに確認していればすむ話だったのに…。

この時点でどうするか検討をしたが…。登り返して熊ノ平まで向かうというのが通常の復帰計画。熊ノ平の小屋でテント泊をするところまでしか時間の余裕がなく、それでは三日目の日程が非常にきつくなることが予想された。そのため中止。このまま野呂川越まですすんで判断することにした。

2時間ぐらい歩いて野呂川越に到着。このとき15時。このまま枝沢に下りることも検討したが…。いかんせん自分が足をひっぱることが予想される。地図を見てもある程度下まで沢を下りないと幕営地も無さそうな気配。天気もどうなるかわからず。実際このあと16時頃には雨になっていた。野呂川越を下ることになった。明日は左俣を詰めるという計画に変更。

稜線を歩いていたとき、一度下に下りて「三峰岳」にトラバースをしようかと話をしていた。実際には実行しなかったが、実行していたら大変なことになっていた。当然大井川に下りるまで何もなく…遭難一直線でした。霧って怖いね。

ちょっとぬかるんでうっとうしくはあったが野呂川越は普通の登山道、45分歩いて両俣小屋に到着。小屋の人に今日の話をして、三峰岳には行かなかったのか聞かれて、行きませんでしたと答えるものの若干複雑な思いであった。

ビールを購入して小屋からちょっと離れたところにテント設営。今日はツェルトをポール2本で立てることに挑戦。事前に調べていたときになんで立っているのかよくわからなかったが実際に立ててみると綺麗に立つものだな…と。しかも結構頑丈。ちょっと不思議。

夕方から晩御飯を準備して食べる。この日のお酒はビールx3と梅酒コップ2杯。

ここでは焚き火ができないので夜になるとどんどん寒くなってきた。フリースとジャージをさらに着ているのに寒い…。明日は適当に帰るかどうかという話をしながらだらだらしていた。朝ものんびりでいいやという感じ。トイレも水道もあって、登山ではなくキャンプになってしまい、緊張感がないのが楽でもあるが若干つまらない。ちょっと複雑な心境で眠りにつく。