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CESSPOOL試遊会の感想

CESSPOOLの試遊イベントに参加できたのでゲームの感想。

そんなものをのぞく気になった経緯は省略。作者とも色々話をしたがそれを踏まえての感想。

CESSPOOLはマフィアになって違法薬物を売りながら勢力拡大を目指すという設定のゲーム。お金を使って薬物の原料トークンを買って原料トークンから薬物を生産してお金を得る。ラウンド毎のテーマ薬物やバッティング回避などでボーナス。取締薬物に指定されると廃棄することになる。またお金で部下を雇って他プレイヤーと抗争を行い街のエリアを確保を行う。街のエリアを確保すると特殊効果が貰えるのと終了時に収入のボーナスとなる。やることはこれだけであとランダムイベントがある。

システムがどうのとかゲームバランスがどうのとかいう評価はわざわざ書く気はないのだが,このゲームは任意に交渉ができるということが特徴ということなのでその交渉部分についての評価をしたい。交渉はプレイヤー間で手持ちの任意の資源のやりとりの他にアクションの約束などもできるし約束への拘束もないというなかなか良さそうな話ではあったのだが…。

残念ながら大きな問題が2点ある。一つ目はプレイヤーに交渉をさせる動線が無い。他の参加者の様子も見ていたが何らかのアクションは淡々と実行するにとどまっていた。アクションを実行しないことすら交渉材料にするという発想ができなくその発想がないプレイヤーに交渉を思いつくきっかけがない。プレイヤーによっては全員が淡々とプレイを繰り返すだけで終わってしまう。交渉を売りにしたいのならばプレイヤーの発想に依存するのではなくゲームシステム内に交渉をしたくなるような仕組みを入れてほしかった。

二つ目は,これは交渉を重視するゲームと謳うならはっきり言って欠陥だと思っているが,交渉のコスト(ペナルティ)が異常に高い。ゲームのルールとして交渉を持ち掛けた側が交渉が成立した場合は自分の部下の情報を開示しなければならない。部下の情報を開示することはゲーム内においてかなりの不利になる。はっきりいってこんなペナルティがあるのでは交渉ができない。ペナルティが嫌だから相手から話をもちかけてくるのを待つとか意味不明の駆け引きをしなければならないとかおかしすぎる。まだ駆け引きなら良いのだが相手が気付かないから交渉の機会であることを教えてあげたらペナルティではやってられない(実際そういう状況があった)。交渉成立に対してペナルティが発生するのでルールで何をもって交渉とするか規定しなければいけなくなっている。カタンの如き交渉ならわかるが二枚舌も良しというなら交渉の機微をスポイルする余計なお世話である。自分たちでやる機会があったらローカルルールで間違いなくこれは削除するだろう。

ゲーム自体はちゃんと遊べるものだから交渉を重視しているのだよというのならば少し残念なところであった。