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北アルプス縦走4日目

槍ヶ岳山荘 5:40 南岳小屋 8:30 A沢のコル 11:30 北穂高小屋 13:45

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  • 登山

3時起床。テントを叩く雨音はする。あきらめた。朝御飯は五目御飯。

テントの中は雨と結露で水浸しに近い。シュラフの収納をするとき随分とぺちゃんこになってきたなあと思う。だんだん暖かさがなくなってきた。昨日ザックは乾いたが荷物は乾かない。

明るくなって外に出ると見事にガス。槍の穂先すら見えない。昨日のうちの穂高の様子をもうちょっと見ておけばよかったかね。この天気で大キレットやらを行くのは気が進まないが出発。出発するということは槍ヶ岳には登らないということである。あんなものはいつでも登れるから。残雪期の北鎌まで取っておく(おいおい)。今日は核心部。一番つらいところ。

しばらくはちょっと岩がゴロゴロする登山道をだらだらと歩く。ペンキマークと共に竹棒が刺さっていてわかりやすい。ところどころ冬道と違うらしくて竹棒だけ違うところを通っていたりするが。道の脇にまだ雪渓が見える。ちょっと前までは雪渓の中を道が通っていて水場になっていたりするらしいが。ちょっと頑張れば数m下って雪を汲むことも可能かな…と思った。

最後ちょっと下がった南岳小屋に到着。ここまでは特に何もなく到着。ここで休憩をしっかり取ってこれからに備える。事前に見たこの先の危険を知らせる看板を横目にキレットへの道を登りだす。

さてちょっと登ったら下りが開始。ここで注意するのは確実な三点支持。登るときに腕を使わない、腕はバランス、基本は足、壁にへばりつかないように。あと注意するのは落石を起こさないこと。幸い落石は一度も起こさなかった。そのことを注意していよいよ踏み出す。

と言っても全貌がわからないので…。ガスで次の箇所はわからないのが普通。目の前にあるものを確実にクリアするとしかできない。鎖があったり…。鎖にぶらさがるようなクライミングが良いとは思ってないが、ここの鎖はさすがに厳しく鎖なしではちょっと恐いところも多い。後ろを向いたり、お尻を下ろしたり。前向きで下りようとしてザックぶつけてバランスを崩さないように気をつける。後ろを向くと足場の確認がどうしても面倒になるので遅くなる。いろいろと考えながら下りる。梯子も三点支持で慌てて下りないようにする。しかし、基本的には自分は遅い。後ろから来る人にどんどん抜かれていく。遅くてもいいから着実に。

ガスでよくわからないところも多いが落ちたら確実に死ねる箇所は一杯ある。毎年この縦走路で何人も死んでいるだけある。鉄梯子も急いで下りないように言いきかせて二つ下りる。そんなこんなでキレットの下りはいつの間にか終わってどうやら最低鞍部らしいところに来ていた。A沢のコルはまだまだのようだが…。鞍部から勝手にエスケープしちゃいかんかねとかぐだぐだ考える。次の難所は長谷川ピークかねと思いつつ。で長谷川ピークだが…。目の前の壁面を地道に登っていたら突然ややこしくなって恐いところだねえと這い上がったらHピークと書いてあった。ああ、なんかあっさり。そっから先は鎖が張ってあってまあ恐いながらも進んでいき、最後は飛騨側に下りるんだよねってちゃんと下りた。とまあそんなこんなでA沢のコルに到着。上から岩に字が書いてあるのが見えた。

A沢のコルで休憩。ここまで2時間の予定が3時間かかっているか…。あんだけ抜かれればねえ。後ろをついてこられるのも嫌なのでさっさと抜かせたが抜かせどろこも難しい。さて、このペースだとどうなんだろうな。5時間ぐらい小屋までかかるか、奥穂まで行けるか、この天候じゃなければ、うーん、とか考える。まあ、小屋についてからにしよう。目の前のことを片付けようと。

さて登る前に…A沢のコルの北穂側が雨のせいか沢になっていた。雨水だとは思うが水場だラッキーとここで給水。登り口はその沢になっていたがな。ここから飛騨泣きらしいがどこが飛騨泣きかよくわからない。かなり鎖だらけでこのあたりは鎖がないと登れないところも何箇所か。太い鎖が張ってあるところもある。一つ一つは難しくない。数m登って若干トラバース路を歩いて、また登っての繰り返し。ところどころ息をつくところもある。ただ、それが250mぐらいあって、一回でも失敗すると只じゃすまないというのが難点か。1時間半以上登りっぱなし。雨もあるがそんなに滑りやすい岩でなかったのでまあ大丈夫。右手確保、右足、ここに左足上げてとか自分に言いきかせながら登っていく。なんかぼんやりとした記憶しかなくて何をどう言ったのやら。

展望台とか案内があるがまだまだ遠い。200mとか案内があるが遠いんでしょとか期待しない。それでも到着のときは来る。小屋が見えるより先に、灯油が燃える匂いが漂ってきた。ああ、近いんだねと思って岩を曲がるとすぐそこに見える。ああ、やっとか…。やっとのことで到着。一息つく。

小屋の中で休憩しながら考える。現在14時。このペースの遅さから考えると穂高岳山荘に到着するのは17時は確実に過ぎそうだ。天気が良ければいいがこの風雨では…。若干の弱気もあり中断を決意。富士山除いて日本一高い小屋で泊まれるからいいじゃないということにする。しかし3000mに三日もいるといい加減慣れるようだ。今日はあまり空気のことが気にならない。気力は使うが体力は使わない登りだからだろうか。

このまま小屋で休憩していた。テントの中にこもっていても寒いだけだし…。小屋では隣で50後半ぐらいの女性とガイドの集団がいろいろと話をしていた。なかなか興味深い話をしていた。いろいろ経験はつんでいるんだろうけどあんな人でも北鎌は登れるんだね。夕方に近づくにつれ小屋への泊まり客がどんどんやってくる。不思議なのはレインパンツの上からスパッツをしている不思議な人が結構いること。どこで習ったんだろう?

16時半になったら小屋からテント場に移動することにした。だけど…迷う。晴れていたら一発だと思うんだが…。奥穂と涸沢の分岐点に来てまだ見えないから不安になる。先客が一人いるから見えるはずなんだが…。迂闊に下りていいものか…。登ってみたが違うようだ。ちょっと下りてみたが見当たらない。かなり不安になって一度小屋まで戻って確認してみたがやはり涸沢に下りるらしい。テン場ぽいところがあります、先客がいるからわかりますと言われても。20mぐらい下りる?戻って下りてみたがなんか違う。一回ザックを下ろしてぐっと下りると…オレンジのものがうっすらと見える。ああ、正解か。ザックを取りに戻りまた下る。

テン場についてテントを立てる。番号が書いてある。混んでいるときはいろいろあるんだろう。先客のツェルトの隣に立てる。こちらでごそごそやっているのに気がついて挨拶しにきた。天狗のコルから縦走してきたそうだ。このまま蝶ヶ岳まで行ってどこかに下りるとか…あまり人がいないだろうと言っていたから三股のほうだろうか?こちらは槍から来たけど遅いもんでここで断念して明日は涸沢という話をしたらこの天気でキレット越えできるのなら奥穂は簡単ですよと言われる。ほんとに簡単なのかもしれんが…。またの機会に取っておきますと伝える。ジャンダルム越えてツェルトで寝ているような人なんだろうから相当なんだろうなという感想。

晩御飯はスパゲッティ。トマトソースの汚れは取りにくいんだよな。だがちょっといつもの御飯とはちょっと違う味なので多少うれしい。このテン場、小屋から10分以上離れている。小屋の人にトイレは小屋でと言われたがわざわざ行く人いるんだろうか?幸いにも行くことはなかったけど。

御飯がすんだら寝ることに。ああ、やっと最後だよ。シュラフが随分湿って暖かくないんですけど。フリースにダウンも着込んで寝ますか。南稜がどの程度の難易度か知らないが今日よりは易しいだろう。じゃなかったら奥穂にこんなにいっぱいの人が登れん。